大岡寺

大岡寺

近江西国霊場三十三ヶ所

大岡寺は、近江鉄道水口駅の南約600m、古城山(こじょうざん)(282.9m)の麓にある天台宗の寺院です。俗に「岡観音(おかかんのん)」の名で親しまれています。旧東海道から見ると、石段が延びる上に二階堂造の本堂が、山を背にして古寺らしい姿を見せています。 老樹の茂る境内には、この本僧行基が白鳳14年(684)大岡山に一宇を建て、千手観音の木造を安置したのが始まりです。寺の勢いは盛んで十六の坊舎を擁していました。しかし寺院が交通の要衝の地でもあったので、たびたび兵火にあい、天正2年(1574)東の坊を残すのみとなりました。天正13年(1585)中村一氏が大岡山に岡山城を築くにあたり、東の坊を移転しました。現在の大岡寺は正徳5年(1715)に再建され、以後加藤藩の祈願所となりました。境内には「巌谷一六」(日下部鳴鶴の文字)、「芭蕉の句碑」「中村栗園」などの碑があり、門前には「鴨長明発心之地」碑があります。
大岡寺と文学とを結ぶ接点は「芭蕉」の句碑と「鴨長明発心之地」の標石の2つです。大岡寺山門を入ると右側に「命二つ中に活きたる桜かな」の句を刻んだ芭蕉の句碑があります。寛政7年(1795)に水口藩の俳人で家老であった加藤蜃州が発起人となり、郡内の俳諧を親しむ人たちによって建てられたものです。芭蕉は旅日記「野ざらし紀行」で「水口にて二十年を経て故人に逢ふ」と前書きして「命二つの中に活きたる桜かな」と詠んでいます。「命ふたつ」は二十年間別れていた旧友二人のことで、「生きたる桜」は唐詩選の名句「年々歳々花相似たり、歳々年々人同じからず」の心をいったもので、友とめぐりあいの感慨を詠んだものです。
門前の「鴨長明発心之地」標石は、随筆「方丈記」で名高い鴨長明が「海道記」のなかで「大岳寺というところに泊まり、世の無常を感じ、髪をそり、旅寝する云々」ということが述べられており、文学と由緒の深い寺でした。

甲賀市水口町京町1番30号
0748-62-3872
新名神 甲賀土山ICから15分、甲南ICから20分
JR貴生川駅南口からはーとバス和野行き本水口バス停下車徒歩3分
普通車5台

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