江戸時代からの特産品水口かんぴょう
◆かんぴょうの由来◆
水口かんぴょうは東海道五十三次の錦絵に安藤広重が写実的名作を描いてから一躍有名になりました。慶長の初め(1600年ごろ)、水口岡山城主長束正家が作らせ、その後下野国壬生(栃木県)に伝わりました。正徳二年(1712年)、水口城主加藤氏の時、かんぴょうの新しい製法が壬生から水口に導入され、その後、改良に改良を加えて献上、贈与、土産品として珍重されるようになったと伝えられています。 水口の初夏の風物詩といえば、かんぴょう干し風景に尽きるといわれています。広重の”絵ごころ”もさることながら、多くの俳人・歌人の”うたごころ”をゆり動かしたのも確かでしょう。
◆水口に息づいてるかんぴょう料理◆
素朴で地味ながら様々な料理の引き立て役
かんぴょうは古くから伝わる湖国の味であり、かんぴょうのルーツである水口の味であったといえます。水口の台所に今も息づいているかんぴょう料理には、以下のような料理があげられます。
●すし
巻きずしやバラずし(ちらしずし)の具として。特にバラずしの具は水口かんぴょうに限ると珍重がられています。
●精進料理
大豆、しいたけ、にんじんにかんぴょうを刻んで混ぜる五目煮など。
●縁起もの~結び料理
しのだまき…にんじん、いんげん、ごぼうを油あげで包んで結ぶ。
コブ巻き…コブ巻きの帯に使う。
ロールキャベツ…ロールキャベツの帯に使う。
◆かんぴょう料理入門◆
●水口かんぴょうの特質
繊維が豊富で独特のやわらかさが身上。カルシウムが豊富な自然食品で、保存にも向いています。幼児から高齢者まで好適の食品といえます。
●かんぴょうのもどし方
かんぴょうは、さっと洗い、まず塩でよくもみます。流水で色が濁らなくなるまでもみ洗いし、しっかりと絞ります。
●かんぴょうの便利な利用法
かんぴょうをもどして、ゆでたかんぴょうを一回に使う分ごとに分けて、ポリ袋に入れておくと便利です。